欧州競争法M&Aガイドライン改正の動向
欧州委員会(以下、「欧州委」)は、2026年4月30日、かねてより注目されていた欧州におけるM&Aに関わる企業結合審査ガイドラインの改定案(以下、「本改定案」)を公表した 。本改定案については、2026年6月26日まで意見募集が行われた。また、欧州委は、この意見募集に関連して、同年6月10日に、利害関係者と本改定案について議論するワークショップを開催した。本改定案は、欧州委による更なる検討の上、2026年中に最終化されることが見込まれている。
本改定案が採択された場合、現行の2004年版の水平型及び2008年版の非水平型企業結合ガイドラインは、統合された単一の企業結合ガイドラインに置き換えられることとなる。全98頁に及ぶ本改定案は、欧州委の企業結合ガイドラインとしては約20年ぶりの大幅改定であり、今日の地政学的状況を反映する形で企業結合規制の適用を見直すよう、欧州委が強い政治的圧力に直面している中で公表されたものだ。欧州企業についてはグローバル市場において効果的に競争できる規模に到達することを許容することといった、特定の政治的要請はその代表例だ。そのような政治的背景を前提として公表された本改定案であるが、本稿にまとめた重要な改正点を含むことに留意が必要であろう。
