ベーカーマッケンジー、「ドメスティック・バイオレンス防止のための比較法ツール」を発表
グローバル法律事務所であるベーカーマッケンジーは、「ドメスティック・バイオレンス防止のためのグローバル比較法ツール」を発表しました。本ツールは、モデル・ドメスティック・バイオレンス条約に照らし合わせて、各国の法律を迅速に分析できる強力なツールです。
Global Rights for Women (NPO法人)およびEvery Women Treatyの支援のもと、ベーカーマッケンジー、Google、Merck、3M、Cummins、HPおよびAccentureから成る500人以上のボランティアとともに、ベーカーマッケンジーは、野心的なプロボノ・プロジェクトに取り組み、世界87か国のドメスティック・バイオレンス法について、最も包括的かつ最新の分析を行ってきました。この度当ファームでは、ドメスティック・バイオレンスの被害者を支援するために、あらゆる個人や団体が本ツールをすぐに有効利用できるようにしました。
オンラインでの発足イベントで基調講演を行った欧州委員会のHelena Dalli機会均等担当委員は、「女性や少女に対する暴力はまん延する人権侵害です。欧州では、15歳以上の女性の3人に1人が何らかの身体的・性的暴力を、10人に1人が何らかの性的暴力を、20人に1人がレイプされた経験があるとの報告がでています。また、5人に1人以上の女性が、現在または過去のパートナーから身体的・性的暴力を受けたことがあり、43%の女性が、交際中に何らかの心理的虐待や支配的な行動を受けた経験があります。このような状況でも、前進することはできます。私たちはさらなる達成を目指したゆまぬ努力を続けなければなりません」と早急な変革の必要性を訴えました。
ベーカーマッケンジーのツールは、NGO(地域、国、国際的なものを問わず)、公的機関及び政府機関が、適用される法律の相対的な有効性が評価でき、改善の余地があれば特定できるように設計されています。ボランティアは本ツールの作成において、ドメスティック・バイオレンスに関する各国法とのマッピング、法執行や社会的保護・安全対策の評価、さらに現状と欧州評議会のイスタンブール条約などの国際的・地域的な枠組みで設定された基準とのギャップについて確認を行いました。
ベーカーマッケンジーのパートナーであり、本プロジェクトのリードを務めるFiona Carlinは、「ドメスティック・バイオレンスの問題は、私たちの社会に恐ろしいほどに浸透しており、私たちはこの状況を止めたいと考えています。当初は、EMEA一部に留まる小規模なプロジェクトを予定していましたが、所員やクライアントからの大きな反響を受けて、85か国以上をカバーするプロジェクトへと急速に発展しました。多くの人が自身の時間を割いてくれたのは、これがいかに重要な活動かを理解し、変化をもたらすことに貢献したいと考えているからです。
本プロジェクトの次の段階として、チームが現地におけるドメスティック・バイオレンス専門家と協力して、彼らのニーズをより理解し、私たちが提供するツールが彼らの日常業務にできるだけ役立つような形にもっていくことです。協力し合うことで、意味のある変化をもたらすことができるのです」と発足イベントで述べています。
ベーカーマッケンジーのパートナーであり、プロボノ活動のエグゼクティブ・ディレクターであるAngela Vigilは、「私たちのプロボノ活動は、ベーカーマッケンジーが地球市民として取り組み、サステナビリティ戦略の中核に位置付ける重要なものです。私たちはクライアントと協働し、社会的に最も弱い立場にある人々の権利を守り、実現することを目的として世界中のプロボノ・プロジェクトを行っていることを誇りにしています。その一つが、ドメスティック・バイオレンスの被害者たちへの取り組みです。多くの女性や少女、その他の人々にとって、その脅威は、自分の家や親密な関係といった、最も安全であるべき場所に存在するのです。フェミサイド(女性嫌悪殺人)やそれに関連する統計が示すように、パンデミックによるロックダウンや制限の期間、彼女たちの窮状はさらに悪化しています。現状として、現在この問題と戦っている人たちは、被害者よりも少なく、リソースも不足しています。私たちが支援し、協力し合うことで、世界で最も弱い立場にある人々が最も必要としている時に助けることができるのです」と述べています。
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