3月1日付で、ミャンマー投資委員会(MIC)は2017年告示第10号を発出し、ミャンマー国内のどの地域が、2016年ミャンマー投資法75条にいう、もっとも開発の遅れたゾーン1、中程度に開発されたゾーン2、もっとも開発の進んだゾーン3にそれぞれ該当するのかを指定した。

それぞれのゾーンに付与されうる法人所得税の減免恩典は、下記の通り異なるので、この告示はMIC投資に将来的に非常に大きな影響を与えるものである。

  • ゾーン1には7年間の法人税免除が付与されうる
  • ゾーン2には5年間の法人税免除が付与されうる
  • ゾーン3には3年間の法人税免除が付与されうる

注意すべきは、2012年外国投資法の下では一律5年間の法人税免除恩典が自動的に付与されていたが、これに代わるものとして制定されたミャンマー投資法の下ではこのような恩典はなくなったということである。

すなわち、ある投資が特定の地域で行われた場合、その投資がその地域に認められた法人税免除の恩典を受けられるとは限らない。ミャンマー投資法75条(c)は、明確に、免税恩典は一定の投資促進業種にのみ付与されるものであるとしている。この投資促進業種の詳細はいまだ明らかにされていないが、製造業、インフラ開発、農業および食品加工業は含まれるものと推測される。

告示からわかるとおり、ゾーンは、管区/州(Region/State)、県(District)より小さい行政区画である郡区(Township)ごとに指定されている。したがって、同じ管区/州でも郡区が異なれば違うゾーンが指定されていることがありうる。

ヤンゴン管区とマンダレー管区内も、もっとも開発の進んだゾーン3に指定されている郡区ばかりではないことは興味深い。たとえば、ヤンゴン管区のダラ(Dala)郡区がゾーン2に分類されているのは好例である。また、電力事業関係者には有名なミンジャン(Myingyan)はマンダレー管区内であるがゾーン2に分類されている。

いくつかの企業が製造拠点を設けているバゴー(Bago)管区も、郡区によってゾーン1とゾーン2に区分されている。また、経済特区の存するダウェイが、ラカイン(Rakhine)州のチャオピュー(Kyaukpyu)やカチン(Kachin)州とともにゾーン1に区分されていることは予想通りであった。

郡区と対応するゾーンの詳細については、こちらの告示英訳版を参照されたい。

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