Corporate & Tax Global Update Vol. 85(2023年8月号)
「国税庁が公表した『租税条約における「利得の分配に係る事業年度の終了の日」の取扱いについて』が及ぼす実務への影響について、スペイン政府の外国投資規制を整備する勅令を承認」等の最新情報をお届けします。
主要記事
グローバル
- グローバル:OECDのIFによる第二の柱の実現に向けた最新のアップデートとガイダンスの公表 本年7月にOECDより、第二の柱に関して、新たなセーフハーバー及びQDMTTについてのガイダンスを提供するAdministrative Guideline並びにSTTRに関する報告書が公表された。本稿ではこれらの文書の内容を概説する。
- グローバル:Pillar 1最新動向―Amount Bに関する公開協議文書の概要・実務上のインパクト 今般OECD/G20のBEPSに関する包括的枠組み(IF)は、2023年7月17日にAmount Bに関する協議文書を公表した 。Amount Bは、ルーティン販売活動を行うあらゆる多国籍企業適用がありうる点で実務上のインパクトが大きいところ、今回の協議文書においては適用対象や価格算定方法に関する具体的な情報が明らかにされた。
- 日本:国税庁が公表した『租税条約における「利得の分配に係る事業年度の終了の日」の取扱いについて』が及ぼす実務への影響について 2023年3月30日付で、国税庁はホームページにおいて『租税条約における「利得の分配に係る事業年度の終了の日」の取扱い』を公表した。 関連する裁判における事案の概要、主たる争点を説明しながら、今後の実務への影響について述べる。
- インドネシア:保険会社のシャリア事業スピンオフに関する規則を金融庁が発行 7月11日、インドネシア金融庁は、保険会社及び再保険会社のシャリア事業のスピンオフに関するOJK規則第11号を発行した。シャリア事業のスピンオフに関する指令は2014年10月に導入されていたものの、どのようなプロセスで行われるかについての明確な指針がないままであった。
- スペイン:外国投資規制を整備する勅令を承認 スペイン政府は、2023年7月4日、スペイン国内への一定の直接投資に対する事前審査制度に関する改正及びその詳細を定めた勅令第571/2023号を承認した。本勅令は、2023年9月1日に直ちに発効する。
- 日本:インパクト投資等に関する検討会報告書の公表 金融庁は、国内外でインパクト投資推進の機運が高まる中、インパクト投資への期待や拡大に向けた方策等について国内外の市場関係者の意見を幅広く得るため、インパクト投資等に関する検討会報告書を公表した。
- EU:欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)を採択 欧州委員会は、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)の適用対象となる企業がサステナビリティ報告書を作成する際に準拠すべき情報開示要件を定める基準(ESRS)を採択した。CSRD適用対象企業はESRSに基づき報告することが義務付けられる。