Corporate & Tax Global Update Vol. 112(2025年11月号)
米国司法省タスクフォース、バイ・アメリカン法を執行し、原産地偽装による関税逃れを追及、ベトナムにおけるグローバルミニマム税の実施に係る法令の公布等の最新情報をお届けします。
主要記事
アジア
- ベトナム:グローバルミニマム税の実施に係る法令の公布 ベトナムにおけるグローバルミニマム税の実施にかかる法令第236/2025/ND-CP号が正式に公布され、2025年10月15日より施行された。本法令は、2024年度1月1日以降に開始する事業年度から適用される。
豪州
- オーストラリア:ペプシコの埋込みロイヤルティ及び迂回利益税(DPT)に関する初の最高裁判決 ― 最高裁で納税者が勝訴 最高裁判所は、国税庁長官v.ペプシコ事件(Commissioner of Taxation v. PepsiCo, Inc. [2025] HCA 30)において、納税者の主張を認め、税務当局の控訴をすべて棄却した。多数意見では、①ロイヤルティ源泉所得税は発生しないこと、②迂回利益税(DPT)は適用されないことが結論付けられた。
- オーストラリア:オーストラリア連邦最高裁が、外国土地所有者等に課されている追加の土地税等が租税条約の無差別条項に反しないと判断 2025年10月15日、オーストラリア連邦最高裁判所は、州及び準州の歳入局が外国土地所有者に課している追加の土地税が、租税条約の無差別条約に反しない旨全員一致で判断した。
米州
- 米国:司法省タスクフォース、バイ・アメリカン法を執行し、原産地偽装による関税逃れを追及 司法省反トラスト局の調達談合対策チームが、様々な連邦政府の執行機関と連携した近時の事案は、米国に対する貿易・調達詐欺に対処するために資源を投入していることを浮き彫りにした。中国製フォークリフトが米国製であるとする証明書を偽造し、さらにフォークリフトの価格を過小評価して、100万ドル以上の関税及び手数料を不正に免れたとして2つの企業と3人の経営幹部が起訴された。この事案は、原産国情報の虚偽表示に関連した調達詐欺スキームを追及する司法省の強固な姿勢を示すものである。
欧州
- ウクライナ:外国直接投資審査制度を導入する新しい法案 2025年9月22日、ウクライナ議会に外国直接投資の審査に関する法律案が登録された。この法案は、国家安全保障に関連する分野での特定の外国直接投資に関して、義務的届出要件と審査手続きを導入することを提案している。ウクライナがEUの外国直接投資規制(2019/452)に沿った投資制度を整備するための取組の一環である。
