Corporate & Tax Global Update Vol. 123(2026年10月号)
米国SECによる委任状制度の見直し案 - 株主提案ルール及び委任状勧誘規則の現代化、グループ内融資に関する新たなマレーシア移転価格ガイドライン等の最新情報をお届けします。
主要記事
アジア
- マレーシア:グループ内融資に関する新たなマレーシア移転価格ガイドライン マレーシアでは、グループ内融資に関する新たな移転価格ガイドラインが公表された。本稿では、負債・資本の区分、独立企業間金利の決定、簡便法、文書化要件などの主要なポイントと、日本企業が実務上留意すべき事項を解説する。
豪州
- オーストラリア:競業避止義務を大幅に制限する法案を公表 オーストラリア連邦政府は、2026年9月、Competition and Fair Work Legislation Amendment (Banning Unfair Non-Competes) Bill 2026を公表した。本法案は、低所得及び中所得の労働者に対する競業避止条項の禁止を掲げた2025年3月の連邦予算、及びその後に実施された、競業避止義務その他の労働者の移動を制限する条項に関する意見募集を受けたものである。
米州
- 米国:SECによる委任状制度の見直し案 ― 株主提案ルール及び委任状勧誘規則の現代化 2026年9月16日、米国証券取引委員会は、連邦の委任状勧誘制度を大幅に変更する2つの規則改正案を公表した。一つ目の改正案では、株主提案を会社の委任状資料に掲載すべき場合を定めるRule 14a-8を廃止するとともに、Rule 14a-4(c)を改正し、株主提案の取扱いを州法及び会社の定款等に委ねる方向への転換が提案されている。二つ目の改正案では、投資家保護を維持しつつ企業等のコンプライアンス負担を軽減するため、委任状勧誘に関する手続を簡素化・現代化するものである。
- コロンビア:最新情報 - 組織再編に関する規則の簡素化 コロンビアにおける組織再編に関する規制枠組みが大幅に改正された。新たな通達に基づき、会社監督局は、一般許可制度の対象となる取引の範囲を拡大し、事前許可を必要とする取引を減らすとともに、所要期間を短縮することにより、合併及び会社分割に適用される一般許可制度及び個別許可制度を簡素化した。これと並行して、財務・公共信用省は、コロンビア中央銀行への外国投資の変更又は取消しに関して、従前設けられていた6か月の期間要件を撤廃し、いつでも届出を行うことができるようにした。
欧州
- 英国:企業報告制度の見直しに向けた英国政府のコンサルテーション 2026年9月7日、英国ビジネス・イノベーション・科学・通商省は、「長期的な経済成長を支えるための企業報告制度の現代化(Modernising Corporate Reporting to support long-term economic growth)」と題するコンサルテーションを公表した。
- 英国:米国の撤回可能信託 ― 委託者、受託者及び受益者が留意すべき英国税務上の落とし穴 米国の撤回可能信託は、英国では法的性質の違いにより予期せぬ課税又は報告義務が生じ得る。英国への移住前に、信託証書及び準拠法を確認し、撤回権、委託者の死亡又は判断能力喪失及び受託者の居住地の影響を精査すべきである。
- スイス:税制改正による繰越欠損金の繰越期限の延長 2028年1月1日の改正法の施行に伴い、2020年課税期間以降に生じた税務上の欠損金につき、その繰越期間が7年から10年に延長される。 多額の繰越欠損金を有する企業は、改正法が施行されるタイミングまで待つのではなく、事前にその影響の評価・プランニングを行う必要がある。
