米国ドナルド・トランプ大統領は、2025年5月12日に「米国の患者に最恵国価格の処方薬をもたらす」大統領令(以下、「本大統領令」)を発令した。本大統領令では処方薬およびバイオ製品に関する最恵国価格 (米国の薬価が他の先進国の薬価と比較して最も低価格となるようにコントロールする仕組み)に向けた政策立案を発令するものであり、2025年4月15日に発令された「再度の米国最優先対応による薬価引下げに関する大統領令」 に続き、米国の薬価の引き下げに向けた取組を目指すものである。

この発令の背景として、本大統領令は、米国の薬価が高額となっている一因として、製薬会社が米国以外の他国では外国政府の要求に応じて低価格で医薬品を供給しつつ、その負担を米国における高価格での医薬品の販売により補う構造を挙げ、こうした他国が米国の負担に依存して低薬価の医薬品やイノベーションを享受するフリーライド構造を解消するよう関係各省庁に対応を求めるものとなっている。

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