ミャンマー投資法規則最終版

2017年3月30日付で、ミャンマー計画財務省は、2017年第35号告示を公表した。これは、2016年ミャンマー投資法に基づくミャンマー投資法規則の最終版となるものである。投資法規則のコンサルテーション草案に対する解説についてはすでに発行しているこちらのクライアントアラートを参照されたい。

草案からの変更点は、その大部分が先の草案の言い換えまたはワーディングの修正にすぎないが、

  • 投資申請に対する許可を与えるか否かの判断基準となる、関連するビジネスの経験及び識見を有しているかどうか、財務的なコミットメントをしているかどうか、ビジネス上一定の評価を得ている良識ある企業であるかどうか、については、投資企業のみならず、投資企業の役員、関連会社、関連会社の役員、投資企業に支配を及ぼす者、投資企業により支配される者等を含めて判断されることとなった。
  • MIC承認(エンドースメント)を取得するためのタイムラインに関しては、申請の受理後 MIC 承認を付与するかどうかの判断期間を60営業日から30営業日に短縮し、判断した日から10営業日内に承認を発行するものとした。

など、実質的な変更点もいくつかある。この他、注意すべき実質的な変更点についてはこちらを参照されたい。

投資促進業種

3月2日付のクライアントアラート「ミャンマー投資法に基づく『ゾーン』の指定」で述べたとおり、新投資法では、同法75条(a)に基づきミャンマー投資委員会が指定する「ゾーン」区分のいずれに投資するかによって、法人税の免除を受けられるか、また受けられる期間が異なる。すなわち、もっとも開発の遅れたゾーン1への投資の場合は最大7年間、中程度に開発されたゾーン2に対する投資の場合は最大5年間、もっとも開発の進んだゾーン3に対する投資の場合は最大3年間である。

しかしながら、新投資法下で法人税の免除措置を受けられるかは、投資対象地域のゾーン区分のほか、投資法75条(c)に基づき、当該投資が、ミャンマー投資委員会が「投資促進業種」と認める業種に該当するかどうかにも依ることとなる。

この点に関し、2017年4月1日、ミャンマー投資委員会は2017年第13号告示により投資促進業種のリストを公表した。このリストは膨大であり、本アラートで詳細を述べることはできないが、投資促進業種の概括的なカテゴリーは下記のとおりである。

  • 農業及び関連サービス(タバコの栽培及び生産を除く)
  • 森林のプランテーション(植林)及び保護管理
  • 家畜の生産、魚介の繁殖・生産、及びこれらの関連サービス
  • 製造業(タバコ、リカー、ビールその他健康に有害な物品の製造を除く)
  • 工業地域(industrial zone)の開発・建設
  • 新規の市街地(urban areas)の開発・建設
  • 市街地開発
  • 道路、橋梁及び鉄道の建設
  • 海港、河川港、ドライポートの建設
  • 空港の管理、運営及び維持
  • 飛行機の保守整備
  • 配達・運送サービス
  • 発電、送電、配電
  • 再生可能エネルギー
  • 電気通信
  • 教育
  • 健康関連サービス
  • 教育情報技術(IT)サービス
  • 情報技術(IT)サービス
    ホテル業及び旅行業
  • 科学、研究開発

全ての投資促進業種が記載されたリストについてはDICAのウェブサイトを参照されたい。

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