米国において、自動運転に関する2つのパブリックコメントの募集が同時期に発表された。一つは、米国で高度自動運転に関するガイドラインの策定も行っているNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)によるもので、自動運転技術の導入に妨げとなるような規制がないかを特定するためのものである。もう一つは、連邦公共交通局による、路線バスに適用可能な自動運転化技術に関してのものである。

NHTSA、自動運転システム装備車に関する法令上の障壁を取り除くための意見募集

アメリカ合衆国運輸省の機関であるNational Highway Traffic Safety Administration(NHTSA)は、自動運転システムを備えた自動車の実装に影響を与える、現在の連邦政府自動車安全基準(Federal Motor Vehicle Safety Standards、FMVSS)についての意見を募集すると発表した。NHTSAが意見を募集しているのは、人によるコントロール部分(ハンドルやブレーキペダル、アクセルペダルなど)を備えなかったり、従来と異なる内装(スライド又は回転するシートなど)を持つようデザインされた自動運転車の開発に制限を設けている連邦政府自動車安全基準を特定するため。またNHTSAは、そのような制限の原因となっている要求事項や実証実験の手続が、試験の困難さを撤廃するために変更されるべきか、または一定の自動運転システム実装車について例外を設けるべきか、についての意見も募集している。さらにNHTSAは、このような障壁を除去又は緩和するためにはどのような調査研究がなされるべきかについての意見募集も行っている。

意見募集は3月5日まで行われる。

FTAの調査研究プログラム:自動運転路線バス

連邦公共交通局(FTA)は、自動運転システムを備えた路線バスに関し、バスの自動運転技術に関する現在の状況についての情報収集、及びFTAによる将来の調査研究分野の特定のための意見を募集すると発表した。特にFTAは、以下の点についての意見を求めている。①路線バスの自動運転化及びこれを補完する技術はどのようなものが現在存在しているか、また開発中であるか。②乗用車及び商業用車の自動運転化の技術について、現在市場に存在し、または開発中の技術のうちどれが路線バスに転用又は適用可能であるか。③路線バスの自動運転化に伴う、またはこれを可能にする、新たなビジネスモデル又はビジネスプロセスが存在するか(例えば組織を超えたデータの管理及び交換など)、についてである。
意見募集は3月2日まで行われる。

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